巻物から卒業証書、そして未来へ。紙筒から生まれた卒業記念タイムカプセル
2026年10月、東京ビッグサイトで開催された「TOKYO PACK 2026」を訪れました。
会場には、「包む」「守る」「届ける」ためのさまざまな技術が集まっています。
その中で、私たちタイムカプセルにとって特別な存在が、京都・鈴木松風堂の丸い紙管です。
卒業記念タイムカプセル「おうちキット」は、この紙管づくりをもとに生まれました。
巻物から卒業証書へ。大切なものを未来へ残す文化
古くから、文字や絵、記録は巻物として大切に残されてきました。
現代でも、卒業式の日に受け取った卒業証書を丸い筒に収めて持ち帰ります。
時代や用途は変わっても、
「大切なものを収め、守り、時間を越えて残す」
という役割は受け継がれています。
そう考えると、大げさに言えば、
紙筒そのものが、タイムカプセルなのかもしれません。
紙筒は、ものと時間をつなぐ器
鈴木松風堂は1893年創業。長年培ってきた紙加工の技術を生かし、さまざまな紙管やオリジナル容器を手がけています。
TOKYO PACK 2026のブースには、色や形、デザインの異なる紙管が並んでいました。
そこで改めて感じたのは、紙筒は単なる「ものを入れる筒」ではないということ。
中にあるものを守り、その価値を伝え、未来へつなぐ器でもあります。
私たちは、紙筒がもともと持っていた「残す・守る・未来へつなぐ」という役割を、現代の卒業記念として捉え直しました。
紙は、ここまで表現できる
今回、特に印象的だったのが、エンボス加工による立体表現です。
白い紙の表面に繊細な模様を浮かび上がらせ、さらに二次元コードまで凹凸で再現する技術が展示されていました。
単に紙へ印刷するのではなく、紙そのものをデザインする。
紙という身近な素材にも、まだ多くの可能性があることを感じます。
現在のおうちキットに、この二次元コード加工を採用しているわけではありません。
しかし、こうした技術は、紙筒がこれからも情報やデザイン、思いを載せる器として進化していく可能性を見せてくれました。
TOKYO PACKで考えた「包む」の、その先
TOKYO PACKで紹介されているのは、単なる箱や包装材だけではありません。
何を守るのか。
どう届けるのか。
手にした人に何を感じてもらうのか。
「包む」という行為の、その先まで考える場所でもあります。
タイムカプセルも同じです。
大切なのは、容器に何かを入れることだけではありません。
何を残し、いつ開け、未来の自分が何を感じるのか。
そこまで含めて、タイムカプセルだと考えています。
卒業証書と一緒に持ち帰る、もう一本の筒
おうちキットは、直径約7.6cm、高さ約16cmの真っ白な紙筒です。
中に入れるのは、未来の自分への手紙、友達との写真、卒業の日の思い出、いま大切にしているもの。
卒業証書には、卒業した証を。
卒業アルバムには、みんなとの記録を。
おうちキットには、卒業した日の自分を。
京都の職人がつくった白い紙筒に「祝卒業記念」の文字を箔押し。
その先を完成させるのは、卒業生一人ひとりです。
真っ白なキャンバス。自分の色に仕上げよう。
「包む」から「時間を残す」へ
紙管は、ものを包み、守るために使われてきました。
私たちはそこに、もう一つの役割を重ねました。
「時間を残すこと」です。
手紙や写真、友達との思い出を一本の紙筒に収め、自分で決めた未来の日まで残しておく。
「包むための紙筒」から、「時間を残すための紙筒」へ。
それが、おうちキットです。
思い出を作る時間。
思い出と再会する時間。
仲間とつながる時間。
昔から大切なものを守り、未来へ伝えてきた紙。
その一本の筒に、卒業した日の自分を収め、未来の自分へ渡す。
卒業の日を、この一本に。
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